私は動物大好き。特に犬。
一人暮らしになったら、犬を飼いたいと思っていたが、現実は無理・・・
仕事を辞めるわけにはいかないから、日中ずっとお留守番は可哀そう。
何より団地暮らしなのでペット飼育は禁止されている。
禁止無視して飼ってる人も中にはいるが、私にそんな度胸はない。
犬を飼う大変さもわかっている。
「可愛いから」と安易にペットショップで衝動買いをして、大きくなったら大変になっ
て捨てる人もいる。
動物を飼うということは、子供を持つことと一緒で、生涯面倒を見るという覚悟で飼わ
なければならない。病気になったらお金もかかる。たっぷりと愛情を注ぐことができる
時間も必要。今の私にはとうてい無理な話し。
今から20年以上前「動物の孤児院ハッピーハウス」と関わることがあった。
たしか長男が小学校高学年の時だった。
近所に一匹の白い犬が迷い込んできた。捨てられたか、迷い犬か?わからないけれど
首輪はなかった。
とても人懐っこく、子供たちに囲まれて大人しく尻尾を振っていた。
長男と近所の子供たちが可愛がって、パンを食べさせたり、散歩したりしていた。
その時もマンション住まいだったので飼うことはできず、動物好きの長男が楽しそうに
しているので見守っていたが、楽しい日は続かなかった。
誰かが保健所に通報し、捕獲され連れていかれた。だれも飼うことが出来なかったから
当然の結果だが、長男は諦めきれず私に訴えた「何とかして!うちで引き取って!」
と。
うちで飼うことは出来ないし、すでに保健所に収容されてしまった。だが、
泣きそうな長男に、諦めろというのも酷だ。命の大切さを教えなくてはいけない大人と
して、簡単に「しかたないやん」と言えなかった。
そして思い出した。
時々駅前の広場で犬を連れて募金活動をしている、
動物保護団体「ハピーハウス」を
当時はNPO法人だったと記憶しているが、今ホームページを見る
と、H27年より公益財団法人として活動されている。
行き場を失ったり、虐待されている犬猫を引き取ってお世話をし、新しい飼い主を探し
て譲渡する活動をしている団体。
藁をもすがる気持ちで、ダメもとで電話してみた。
何かしないと長男の気持ちが収まらない。いろいろやってみてダメならしょうがないと
も言えるかもしれないと思った。
犬を保護して欲しい。とお願いしたところ、代表の方がちゃんと話を聞いてくれたが、
実際保護してもらうには、ワクチン代や、病気がないかの検査費用も必要で、なんでも
受け入れられるわけではないそう。経営は厳しくボランティアや寄付金、賛同してくれ
る個人や法人の会費などで、活動出来ているそうだ。
電話を切り、長男に「お金がかかるし、やっぱり無理みたいやわ」と言ったら、
「僕のお小遣い全部出す!!」と言う。
いくらあったのか覚えていないが、たしか普段の小遣いと、お年玉をためていて、
それは欲しいゲームなどを買うために貯めていたものだったが「全部出す」と言う。
これには参った! そこまで言うならなんとかしてみようじゃないか、と私もやる気が
出た! 二男も「ちょっとくらい出すー」と言い。私や旦那も出すことにして
(当時まだ結婚してた)
再度電話
「息子がこう言っていますが、いくら必要ですか?私たちが保健所から犬を引き出し、
そちらへ連れていくこともできますが」と聞いたら
「そこまでしてくださるなら引き取ります」と言ってくださった。
さっそく車で保健所に乗り込み「先日保護された犬を引き取りたいんですが」と
言うと「飼い主ですか?」と聞かれた。
違うと言うと「飼い主でないと引き取れない」「飼い主が罰金と、ここに入ってからの
餌代を払ってから引き取れる」というのだ。
「保護したいから」じゃ駄目だという!保護施設の話をしても聞いてもらえず
お堅い役所仕事に腹も立ったが、噓をついて無料で引き取る人もいるのかもしれない。
「じゃあ・・・・飼い主です!」と言い切り、罰金と餌代を支払った
(トホホ・・・大出費 たしか7000円くらいだったと思うが我が家にとっては大痛手
収容されていた部屋から出してもらったその犬は、息子を覚えていたのか、尻尾をブン
ブン振って、嬉ションした(嬉しくておしっこ漏らすこと(^^;)
車に乗せ約50分、大阪府豊能郡の山奥へ、、、
結局無料で引き取ってもらえたが、その日は代表の方も犬の避妊手術中ということで、
ちらりとしか会えなかった。
後日会いに行き、僅かながら寄付金を渡した。
そして施設内に入らせて頂き、お話を聞いた。その時のことは一生忘れられない。
グレートピレニーズやグレートデンなどの大型犬が、わらわらと寄ってきて囲まれた。
皆人懐っこく、話をしている間ずっと「なでて~」と頭を摺り寄せてくる。
3歳くらいだった3男は、グレートデーンの背中に乗せてもらい、恐々笑っていた。
保護した犬とも散歩してしばらく一緒に過ごせた。「ペス」と名付けたその子に会いに
その後も数回通ったけれど、そのうち遠のいて里親が見つかったかどうかは不明。
でも動物好きでやさしい長男の気持ちを壊さないで良かった。とても素晴らしい経験が
出来たと思う。代表の甲斐さんには本当に感謝している。
環境省の資料では
H30年の犬猫の引き取り数は 91939頭
そのうち殺処分数は 38444頭
殺処分数は年々減ってきているそうだが、まだまだこんな数字。
保健所での処分て安楽死ではない。ガスで苦しみながら死んでいく。なんてひどい。
可愛いから、と安易に動物を買わないで下さい。
一生責任を持ってください。
そして犬猫を買いたいと思ったら、出来るだけペットショップでなく、保護施設から引
き取ってほしい。里親を待っている子たちがたくさんいるから。
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