歳をとってもお洒落をすることは大切だと思う。
身だしなみを整え、人に見られることを意識することで気持ちも上がる。
お洒落は認知症予防にも効果があるという。
わかっているけど最近の私は、もう服装なんてどうでも良いわ、、、と同じ服ばかり、
女捨てちゃってる？💦
でもコロナで休日も外出しなくなってから、ますますだらしないズボラ女になりそう
そんなことを考えていたら、ある人を思い出した。
老人保健施設で働いていた頃、施設でどこにも出かけなのに毎日お洒落をしていた方。
（Yさんとします）
７０代前半で、左片麻痺があり車椅子ですが、認知症はなくとてもしっかりされていて
片手だけでも自分のできることは、出来るだけ自分でするように努力されていた。
スタッフにわがまま言うこともなく、いつも「ありがとう」の言葉を言ってくださった。
ご主人や娘さんがほぼ毎日交代で面会に来られ、家族仲も良好。
とてもおしゃれで、家族がいろいろ可愛い服やパジャマを買って来てくれるようで、毎
日頭にも帽子やバンダナをつけたり、退屈な施設生活をできるだけ楽しくすごそうと、
家族ぐるみで努力されているようで、関心していた。
ボケ防止にと、毎日「日記」を書いておられる。
若い（遠慮のない＾＾；）スタッフがたまに
「私のこと書いてるんちゃうん〜？」「見せて〜」」なんて言って勝手に見ていたが、
Yさん怒りもせず見せてたな・・・
以前 ちょっと悲しいことが書いてあった。
この時は、めずらしくYさんが、落ち込んで、いつもなら言わないスタッフへの苦情を
漏らしていたので、心配した主任が話を伺いつつ、日記を見せてもらったようだ。
Yさんが落ち込んだ理由は、ある日の夜勤明けのことだった。
Yさんは片麻痺なので、自分のことは出来るだけ自分でするといっても、着替えなどは
介助する必要がある。
できるところまで、やってあとはスタッフが手を貸すのだが、とってもおしゃれなY
さんの服は、他の利用者さんのようにシャツとトレーナーだけ、とはちょっと違う。
上服の上にベストを着ていたり、重ね着をしていたり、、、
私達女性スタッフはそんなYさんのおしゃれしたい気持ちがわかるので、「今日もかわ
いいの来てますね」「センスいいですね〜」といいながら着替えも手伝っている。
でも男性スタッフは違った。
「こんな面倒な服着て！」
「1枚だけで十分やんか」とか、いいながら、めんどくさそうに介助した、、とか！
たしかに介助する側にとっては、上下伸び縮みするスゥエットだけとかが楽です。
体にピッタリの伸びない生地の服やボタンのいっぱいの服など、内心（も〜めんどく
さ・・）と思う・・・
はっきり言って病院みたいにずっとパジャマが一番楽。
でもここは病院ではない。
「寝食分離」日中と夜間の区別を付け、夜は着替えてリラックスして休み、朝は服に着
替えて「さ〜今日も一日が始まりますョ」という気持ちになってもらう。
そういうことが大切なことだ。病気を治すところではなく、生活の場、だから。
家では寝たきりになるだろうという方でも、食事の時は必ず離床して、車椅子に座って
食事介助する。
ベット上で食べてもらうことはほぼない。
施設に入っていても、出来るだけ毎日楽しく、メリハリのある生活の場を提供する。
それが私たちの仕事だと思う。
なので、この男性スタッフの言動は、とても悲しい、情けないことだ。
Yさんが、その朝着替えたあと、早出で来た女性スタッフに悲しそうに「こんなん言わ
れた・・・」とつぶやいたことで、主任の耳に入り、Yさんから話を聞きつつ日記を見
せてもらったということだった。
日記にはこういうことが書いてあったそう。
＊＊＊＊
私はこんなところに入っているけど、この年齢だけど、一応まだ女です。
いくつになってもおしゃれしたい気持ちは男の人にはわからない。
でもパパは（ご主人）わかってくれる。
私は最後まで「女」で、「女」として死にたい。
＊＊＊＊
これを聞いて、切なくなった。
施設は 衣食住だけ提供すればいいのではない。
でも現実にはこれだけでせいいっぱいで、なかなか利用者個人個人に関われないのが現実。
でも出来るだけ楽しい刺激のある生活を、、
その気持ちだけは無くしたらあかん
そう肝に銘じる、、、そんな出来ごとだった。
Yさんを見習わなきゃ・・・ 綺麗に歳を取りたいからね
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