前回の続きです。。。
ブラックSさん
入所当時より、随分レベルアップした、おしゃべりSさん。
毎日面白い会話で私たちを楽しませてくれますが、
やはり認知症もあるので、普通の人のように、相手のことを考えて
の発言などできず、言いたいことを何も考えずに言ってしまう。
他人に対して、キツイ口調でものを言ったり、眠くて気分が乗らない
ときには、介護拒否もあり、「もうほっといてや!」と怒ったり、、、
そんな時私たち介護士は認知症のことを理解しているので、
怒ったりせず、
「あ〜今日のSさんは ブラックSさんやわ^^;)
と、笑って対処できます。
他の利用者さんも、たいがいわかってくれて、咎めるひとはいなく、
皆笑って聞いていてくれます。
しかしある日、そのSさんの言葉で他の利用者の家族さんを怒らす
ことになってしまいました。
他の利用者家族との衝突
男性利用Hさんの娘さん。週に2度ほど面会に来られ、夕方来られた
時には食堂へ一緒に行き、自らお父様の食事介助もしてくださいます。
その日は私は日勤の仕事をおえ、残務処理で一人フロアに残り、
記録などを書く仕事をしていました。
利用者もスタッフもみな6階の食堂にいます。
するとHさんの娘さんが、降りてこられ、なんだか荒っぽく帰り
支度をしている。
まだ食事時間中だけど・・・??
(なんか怒ってるぅ〜〜(・_・;)??)
「どうしたんですか?」と聞くと・・・
「ちょっと あのS!(呼び捨てです)何とかしてくれへん!!」
「え?何かありましたか?」
興奮しながら話したことを、まとめると、、
Hさんの食事介助を娘さんがしていた。
その席の向かい側にSさんが、座っていた。
Hさんの隣の利用者が何か訴えている。
それを見たSさんが、Hさんの娘さんに
「ちゃんと聞いてやりいな」と言った。
Sさんはスタッフと家族の区別がわかっていない。
娘さんは最初穏やかに「私はスタッフじゃないから」と説明
したが、Sさんはお構いなしに「ちゃんとしてやって」と繰り返し、
「なんにも出来ないなら帰りー、、」というふうに言ったらしい(-_-;)
他のスタッフがすぐに気づいて間に入れば良かったのだが、
皆忙しく気が付かなかった!
その娘さん、怒って椅子をバーンと大きな音を立てて片付け
「帰ります!!!」と立ち去ったようだ。
とりあえず「すみませんでした!」と謝り、Sさんは認知症なので、
いろいろわからない発言をするのです、と説明しましたが、
娘さんは「あの人は認知症じゃないでしょ!」
「あんなにしっかり受け答えできてるじゃない」
と言われる。
認知症を全く理解していない。
普通に会話出来て、冗談も言えても、他人を理解できなかったり、
よく考えて言葉を選ぶことができない。
被害妄想になったり、事実と違うことを言ったり、本人は嘘を言って
いる自覚はない。
これが認知症なんですが、、
歳をとってすごく性格が悪くなって、人の悪口ばかり言ったり、
暴言、暴力があらわれたりしたら、「性格のせい」と思われがちですが、
これも脳の病気によるものであることも多いのです。
病気の理解がない娘さんは、
とても興奮されていて、
「あんな人は別の部屋にちゃんと隔離しておけ」だの
「あいつ 殴っていいですか?!」だの言ってきた。
今は何を言っても冷静に考えられないだろうと思い。
とりあえずはスタッフの対応不足を詫びて、
相談員に報告しておきますから、と、言っておきました。
娘さんにしたら、自分は一生懸命父親の介護に通っているのに、
なぜそんなことを言われなくてはならないのか!と悲しい気持ち
なんだと思います。
でもね、、、そのお父様も実はちょっとした暴力行為があるん
ですよぉ〜〜 (^_^;)
食事以外はほぼ寝たきりで、力も弱いためたいして問題にはならない
ですが、オムツ交換のときには嫌がってバシバシスタッフをたたきます。
「何すんねん アホかー!」と暴言もありますが、
かわいいもんです^^
「そんなネコパンチ効かないですよ〜〜^^」
「はいはい すぐ終わりますから^^」といった感じです。
まともな会話は成立しないほど認知はすすんでいますが、
声掛けには笑顔もあり、意味不明ですが、たまにはおしゃべりされ
みなHさんのことは大好きです^^
お互い様なんですがね〜
その後、娘さんは相談員とも話され、泣きながら訴えてたらしいですが、
なんとか少しは理解されたようで、その後もまた普通に通って来られました。
たまたま居残り仕事していた私がとばっちりを受け、、
サービス残業がふえるわ、怒鳴られるわ、、で
散々でしたが・・・(-_-;)
はぁ〜〜・・・・
もっと認知症を理解してください。
家で介護している方でもこういう知識不足で、泥沼になっていること、、
あるんじゃないかな・・・??
家族様を対象とした「認知症勉強会」を開く必要性を
感じた出来事でした。