地域密着型特別養護老人ホームに、介護職兼務のケアマネジャーとして入職し、
約3カ月が経過した。
29名の小さな施設なので、ケアマネ業務も毎日は必要でなくほぼ介護業務で、
週に1,2回ケアマネ業務の日を与えられ、パソコンと向き合い書類仕事やケアプラン
会議などを行っている。
介護認定の更新時には認定調査に立ち会い、次の介護度が決まる。
要介護度は 1~5まであり、
数字が多いほど、重度になる。
特別養護老人ホームに入所できる方の基準は
原則 65歳以上で要介護度3以上の方である。(特例あり)
以前は要介護1,2の方でも入れたが、平成27年4月より基準が変更になっている。
比較的費用が安く、長期的に入所できる特養は、それでなくてもなかなか入れなく
待機している方が多いが、ますます入所要件がきつくなった。
入所するためには何としても介護度3以上にならないと!と家族が躍起になって、
ケアマネに詰め寄ることもあるようだ。
介護度の決定には、認定調査を行った認定調査員の調査票と、主治医の意見書の内容を
もとに、介護認定審査会にて審査、判定を行い決定される。
市から依頼され、担当ケアマネが直接認定調査を行うこともあり、
以前居宅ケアマネをしていた時に、その例に当たった。
どう見ても、介護度2くらいの方だけど、
「4くらいにならないといろんなサービスを受けられないから!」と言われ、
認定調査の結果をちょっと大げさに書いたり、特記事項に
「こういうことで大変困っている」ということをたくさんつけ足したりした。
なんだかなぁ・・・と思うが、家族としては自分が出来ないから少しでも介護保険で
サービスを使えるようにしてほしいと思うのは当然だろう。気持ちはわかる。
そして今、特養のケアマネをしているが、
数名の認定更新があり、そのなかで要介護3から<1>に変更になった方がいる。
自宅では一人で大変で、精神状態も悪く、いろいろな問題を抱えておられたようだが
ここ特養に入所されてからは、とても穏やかになられ、スタッフの支援の元、他の方と
も楽しく過ごされ、身の回りのことも自分で行い、ほぼ自立状態になっている。
当然介護度も下がりますし、本来それはとても喜ばしいことなんですが、、、、
特養の入所要件は「要介護3以上」
家族は慌て、施設長も困ったな・・・と。
介護度が下がったからと、すぐ退所しなくてはならないことはない。
家族には「退所の必要はないので安心してください」と伝えましたが、
施設長は、いつ法令が変わるかもしれないし、認定調査のやり直しを
しよう、と言う。
認定結果に不服があったり、状態が変わった時には認定期間内でも
「区分変更」の申請を出し、再認定調査を行うことが出来る。
施設としては、要介護度が高いほど介護報酬が高いので、経営的には
介護度を出来るだけ上げたい。
要介護1や2の人が増えたら、本部からも「なんで?!!」と
クレーム?の電話がかかるらしい。
要は儲けが減るのは困るのだ。
その方の介護度を上げるには、大げさに言うどころか、噓言わなくちゃならないかも
しれないから、「私はもう立ち合いでこれ以上上げれません」と相談員さんに
立ち合いをお願いした。嘘はつきたくない。
ケアマネの仕事
ケアマネの仕事は、入居者さんの自立支援のお手伝いをするために、どうしたらこの方
が、良い状態になり、自分で出来ることを増やし、穏やかに楽しく生活して頂けるよう
に、と皆で支援方法を話し合い、ケアプランに反映して実行すること。
なのに、いい状態になって介護度が下がると、困るなんて!!
矛盾してる!!
じゃケアプランなんていらんやん。施設にケアマネいらんやん!!
と今怒っている。(-_-メ) なんだかなぁ・・・・(-_-;)
ケアマネの葛藤のお話しでした。。。。