長く介護の仕事をしてきた。(今は病院の看護助手)
介護の仕事をしようと思ったきっかけは母だった。
「介護」って、3K仕事、底辺の仕事とか言われることが多い。
確かに体力も精神力も必要だし、お年寄りの下のお世話もある、認知症の方の対応は
難しく、お給料も安い。
私も最初未経験で「特別養護老人ホーム」の仕事に入ったときは正直
「なんか、とんでもない世界に入ってしまったか??」と思ったもんだ(^^;)
でも、いろいろな施設を経験し、資格も取り12年程介護の仕事に専念した。
結果 思うことは・・・
「介護」は面白い 。とても遣り甲斐がある仕事。
今、施設勤務から離れ、病院の看護助手をしてみて物足りなさを感じている。
もっと、利用者(患者)と関わる仕事が、やっぱりしたいな、、と。
以前「趣味人俱楽部」というSNSで「介護士のつぶやき」という日記を書いていて
それを読み返してみたら、なかなか面白かったので、ここで少しづつ紹介してみよう
と思う。
認知症の方のお相手は大変だけど面白い。
何度も同じ話を聞くのは疲れるけれど。
自宅で介護されている方は本当に大変だと思うし、尊敬する。
仕事だから楽しめるんだよね。
<特別養護老人ホームのKさんの話>
Kさんはお話好きで、しゃべりだしたら、止まらない。
認知症といっても、すぐ忘れたり、軽い見当識障害(自分が現在おかれている環境が理
解できない)があったりするだけで、人との会話は成立している。
何回も何回も同じ話を繰り返されるので、相槌を打ち続けるのも疲れてしまうけど(^^;)
時々「ここ何処や?」と聞かれる。
「○○○○○(施設名)ですよ」と答えると。
「そうか、何回か来たことあるな」・・・(もう4年も住んでますよ^^;)
とても楽しくお話をしてても、数時間たって「さっきは〜しましたよね」とお聞きした
ら、、
「そんなんしてへん」って言われることもしばしば。
どうせすぐ忘れるからって、そういう思いで接していてはいけない。
楽しい、嬉しい思いの積み重ねが、その人の状態を安定させているのだ。
すぐ忘れるからって、その人の前でなんでも言っていいってのはとんでもないこと。
Kさんが、おかしなことを言うようになった。
「私 人間か?」
「えっ?人間にきまってますやん!」
「タヌキじゃないか?」
「どう見ても人間ですけど・・・(^^;)」
ボランティアさんが来られて唄を聞くため、大勢の入居者さんが集まったとき
Kさんが急にそわそわして、「もう帰るわ」と言われる。
「どうしたの?」と聞くと。
「うしろで、私のこと{タヌキのくせにこんなとこ来て}って言うてるねん。ほなもう
帰るわ!」と怒っている・・・
だれもそんなこと言っていない。
時には食事中「私 タヌキやから代金払わんでもえ〜な^^」
と逆手にとってニカッと笑う(笑)
どうしていつもタヌキという言葉が出てくるんでしょう・・?
私が思うには、、誰かが「Kさんタヌキに似てるね」とか言ったんじゃないかな?
たしかに丸顔で、目が丸くキツネというよりはタヌキ(失礼!)
言った人も悪気はなく(タヌキみたいにかわいい)って感じで言ったんだと思うが。
認知症ですぐ忘れるって言っても、ショックなこと、気にすることなどは、そのまま心
に残りずっとあとをひくんだね・・・
気をつけなくてはいけない。 Kさんに大事なことを教えて頂いたようだった。
「タヌキってかわいいよね〜」って言ってもあまり嬉しくないようだ^^;
「タヌキ」 この言葉は禁句になった。 早く忘れてほしい💦
認知症の不思議・・・まだまだ未知の世界。